今回のブログは「コワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2015」に参加して、リレー方式でコワーキング運営者が日替わりでブログを書いています。
昨日のコワーキングスペース「SPOT3」のスタッフの小手森さんの記事「地方でコワーキングスペースを運営するときのお金の話」から引き継ぎました。
今回は、「こんなはずじゃなかったコワーキング運営」というテーマで書いていこうと思います。
千葉コワーキングスペース201の運営を始めて2年9ヶ月。
いろんなイベントを開催し、コミュニティができ、出会いもあり、結婚したカップルも誕生し、会員も増え、コワーカーも増えうまく回ってるはずの201。いやいや、問題はこれから。初年度から自分が想像していないことが起きていますから、これからもどんなことが起きるかわかりせん。だからこそいつも201に来る利用者さんを見て、その人たちが何を必要としているか、アンテナを張っているつもりです。「コワーキング」という働き方を崩さず、かつそれに縛られず。
さて、これからどうするか?
スペースの認知度を上げるにはイベント開催がいい
さてオープンしてから1年目は、とにかくイベントをたくさん開催してきました。
私の場合は、本当にラッキーなことに準備段階の間に「こういうスペースなら自分が考えていることが実現できる!」と今までやりたいことがあっても場所がなくて実現できない人が積極的にイベントを開催して使ってくれました。
千葉コワーキング201の奇跡
思っている以上に「コワーキング」の認知度は低く、イベントで利用して初めてコワーキングを知ってくれる方がほとんどでした。
千葉コワーキングスペース201はこんな方が利用しています。
こんなはずじゃなかった!其の1
思っている以上に「コワーキング」の認知度は低い。だからイベント開催で認知度を上げる
SNSの人気も伴い、イベントをたくさん開催することでたくさんの方に知っていただくことができました。
人狼ゲーム、セラピストコミュニティ、WordBench千葉、JimdoCafe千葉、Web系フリーランスの会、WordPressもくもく会、子供たちのプログラミング会(CoderDojo千葉)、晩飯会、恋する読書会、セラピストの学校、ゆるく解剖生理学 Concrete5千葉 等々
その中でも定期開催となり毎回20名ほどに人が集まった「人狼ゲーム」は201のコミュニティを作る大きな役割をしてくれました。この盛り上がりは本当に凄かった!
そしてもう一つ、「ボードゲーム会」BOARD GAMER's こちらは今でも毎回20名以上が集まり定期開催となっています。
遊びのイベントの人気が高まり開催回数が多くなった201ですが、この遊びからそれぞれのビジネスの幅を広げている人が多いことに驚いています。遊びから始まったこのつながりは上下関係のないとてもいいつながりが作れたと確信しています。
こんなはずじゃなかった!其の2
遊びたい人が集まる!おいおい、ここは仕事場じゃないのか〜!いいんです。
「みんなのシゴト場。時々大人の遊び場。」そんな最近の201です。
こんなはずじゃなかった!其の3
遊びイベントだからって侮れない。遊びから始まるつながりは仕事の幅だけでなく人生の幅が広がるいい流れを生む。
セラピストコミュニティ、セラピストの学校の開催によって、コワーキングを知らない女性の方にコワーキングスペースを知ってもらえる大きなきっかけとなりました。その後もセラピストさんたちが自分の仕事場として個人セッションやワークショップ、個人の作業で使っていただいています。
セラピスト業界にコワーキングの存在を広げたのは201です(笑)なんちゃって。
そして、私自身もたくさんのセラピストさんたちに癒してもらってます。このセラピストさんたちの存在は個人的にもとても大きい。
こんなはずじゃなかった!其の4
日本一セラピストさんが集まるコワーキングスペースに(自称)
コミュニティに頼りすぎるコワーキング運営は危うい
こんなはずじゃなかった!其の5
コミュニティもできてきて、万歳〜!のはずが、
すでにコミュニティが出来上がると新しい人が入りにくいと感じるみたい。
コミュニティを作る。それは、本当に楽しく素晴らしいこと。
コワーキングをする「場所」がないと人は集まれないが、コミュニティがないと人は集まらないということです。
茅場町コワーキングスペースCo-edo 田中さん
確かに。コミュニティを作ることであっという間に人は集まります。そしてコミュニティはお互いの仕事の幅を広げます。
ところが、その後、コミュニティが出来上がると新しい人が入りにくくなるという面も持っています。
それぞれのコミュニティが新しい人をどうやって増やすかという局面に。
そして新しい人が増えないといずれ低迷してきます。
それからコミュニティはいろいろな場所に派生していきます。
人がいろんな場所を行き来してまた新しい人を連れて戻って来る。
まあ、いろいろです。
結果的にコワーキング運営としてはもちろんいい。集客力も出るし、スペースの雰囲気も良くなる。
しかし決して「安定」ではない。
私自身、2年目からコミュニティやイベントに頼りすぎるコワーキング運営は危ういと感じ始めます。
どんな時でも「新しい人が入りにくい」場所であってはいけない。
更に、万が一コミュニティやイベントによる収益が大部分を占めている場合は、そのコミュニティがなくなった時の打撃は大きい。
新しいコミュニティやイベントを作り続けるか、あるいは仕事場としてのコワーキングスペースとして充実させるか。
会員が増え、仕事場として使う方が多くなるにつれて、バランスを非常に気にするようになってきました。
こんなはずじゃなかった!其の6
コミュニティは「水」のように流れ、時と共に変化する。
コミュニティやイベントに頼りすぎない運営を。
本来のコワーキングってなんだろう
さて、本来のコワーキングってなんでしょう。
コワーキングは仕事場の共有。それぞれ自分の仕事を持ち込んで、場所を共有する。
そんな中から自然と交流が生まれる。これがコワーキング。
私自身も201のコワーカーの一人。毎日ここでウェブの制作をしています。
仕事をするコワーカーにとって何が満足度が高いのか?
仕事場としてちゃんと仕事ができる場所は絶対に必要です。
そして一人ぼっちじゃない場所。いつも誰かと話せる環境。
でも喋ってばかりでは仕事にならない。程よい距離感が取れる。自分で距離感を保てる。
これが本来のコワーキングじゃないだろうかと。
そしてコワーカーの中には、
イベントがないと満足度が低い。
イベントが入り過ぎても満足度は低い。
集中して仕事したい!いやいや、誰かと喋りにきた! もうそれはそれは多種多様。
どれを優先して運営していくか、いや、どのニーズが201では多いのか。それは本当にいろいろ考えます。
そして運営側の問題としては、本来のコワーキングのみでは収益の面で問題が出てくることは明らかです。
2年目に入りコワーキング利用料の改定を行いました。1日1000円から1500円と一部値上げをしました。しかし時間制を細かく設定することで今まで少なかった2、3時間の短時間利用者も増え、回数券を導入することで、利用者さんの値上げへの負担を減らしました。結果的には良かったと思います。
一部料金を改定しました
イベントもコワーキングもコミュニティも全てバランス
イベントとコワーキングもバランス。多すぎても、少なすぎてもダメ。
コミュニティ、交流も同じ。濃すぎても薄すぎてもダメ。
本来は仕事場。仕事の邪魔に成るほどのコミュニケーションはダメ。なさすぎてもダメ。
全てがバランスです。
広いスペースであれば全然問題ないことかもしれませんが、70㎡のスペースでは特にバランスが重要。
そのバランスをその日のニーズによって、保つ努力をする。その日のニーズと合わない人が来た時は頭を下げる。声をかける。それが運営者の大きな役割。(集中したいのにイベント開催していたり、逆にコミュニケーションとりたいのに、誰もいないとかね)その日によって全然違うからね。
おいおい!仕切られたスペースの方がニーズ、高いじゃん!
私自身も少しずつブログ集客講座やホームページ制作講座も開催するようになり教える側になってみると・・・・
ちょっと仕切られたスペースの方が講師側も受講生側も集中できるということに気づいてしまいました。(ガ〜ン)
そんな経験からスペース内環境に少しずつ手を加えることに。
移動式パーテーションを増やしましたソファを撤去し会議スペースを作りました
すると、結果的に仕切られたスペースの需要が高い。
会議スペースを使いたい予約が多い。
そしてゆっくり仕事できるスペースとして集中スペースもパワーアップ
集中スペースをリニューアルしました
こんなはずじゃなかった!其の7
勉強会や打ち合わせにはオープンより仕切られているスペースのニーズが高い。
さて、これからどうやっていきましょうか?
「コワーキング」という働き方を崩さず、且つそれに縛られず、臨機応変に。
まだまだ変化が必要な千葉コワーキングスペース201です。
さて、明日のコワーキングスペース運営者限定アドベントカレンダー Advent Calendar 2015は、CASE Shinjukuの森下ことみさんです。
ご利用方法・料金について
1時間550円 1時間以上終日まで1100円(消費税込み)
※利用者1人当たりの料金です。
ー1日ゆっくりとお仕事したい方
ーPC作業をしたい方
ー打ち合わせ場所にお困りの方
ー勉強場所にお困りの方
ー出張中の仕事場として利用したい方
ー働く場所を日によって変えたい方